Friday, September 28, 2012

No. 98: 消費者にアピールする値引き方法は?(September 29, 2012)

Marketing:
ネット社会になってクーポンの氾濫。はたして、どれくらい販促の役に立っているだろうか。これだけ氾濫すると、消費者の立場から見ると、クーポンの値引き分をあらかじめ計算して、価格を決定しているのではないかと思ってしまう。まして、割り引きが、パーセントで表示されていると、なおさらその気持ちが強くなる。消費者の心理を読むのは、難しいものである。

米国ミネソタ大学の研究チームが、消費者の値引きにたいする反応を調査している。つまり、価格を変更せずに容量を大きくした場合と、容量を変更せずに価格を下げた場合とを比較している。その結果、消費者は圧倒的に前者を選んでいる。

例えば、100gで1,000円の商品を、150gに増量して1,000円で販売すると、1g当たりの商品単価は、10円から6.7円になる。そして、同じ1g当りの商品単価にするには、商品を33%値引きして、100gを670円で販売することが必要である。この場合、圧倒的多数の消費者が前者を選び、増量分を得したと感じる。実験結果では、前者の戦略を取ると、売り上げが73%増加している。つまり、消費者の五感に訴えた方がより効果がある。つまり、50gの増量と、330円の値引きでは、50gの増力の方が、消費者にアピールする。これは、50330の数字がもたらす、簡潔さと関連している。

さらに、一度に40%の値引きを提示するよりも、20%の値引きを提示して、さらに、定価の80%になった商品を、さらに25%値引きして、合計で40%の値引きをして、定価の60%で商品を販売するほうが効果があるという調査結果になっている。つまり、値引きを二段階に分けると、よりインパクトが強くなるというこである。この場合も、数字は簡潔であるほうがよい。

数字の計算が大好きな人物は別として、一般の消費者は、買い物をするのに、あまり細かい計算はできないし、やりたくないものである。例えば、車の燃費が向上したことを、消費者に訴えるのに、燃費が何パーセント向上して、リッター当たりの走行距離が27 km になったというのと、1リッター当たりの走行距離が、25 km から27 km になりましたと広告する場合とでは、消費者の記憶に残る数字は、明らかに、25 km から27 kmである。

現代社会は、数字の氾濫で、全員が数字の解釈に苦労している。消費者は買い物に、簡潔なメッセージと簡潔な数字を求めるのも、当然といえる。

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