Tuesday, October 2, 2012

No. 103: リスクを分散させることは重要 (October 3, 2012)

Management:
日本触媒の事故で、紙おむつのサプライチェーンが混乱する可能性がでてきた。高級吸水性樹脂と、その原料であるアクリル酸の生産が停止したので、遅かれ早かれ、紙おむつを生産する企業は、すべて影響を受けることになる。

ビジネスでは、仕入先も得意先も、1社に大きく依存せずリスクを分散する体質を構築する努力は必要である。これは、交渉力を維持するという観点からも、非常に重要である。仕入先については、技術面から、複数の企業に分散することは難しい。しかし、不可能ではないはず。これは、素材メーカーの日本触媒の立場から言えば、得意先を分散することが必要ということになる。中堅企業が大手企業からの受注に大きく依存していたため、大手企業からの受注がなくなった途端、経営難になるケースは多い。

それでは、一社に依存する割合はどれくらいが適切であろうか。もちろん、正解はない。仕入先の分散については、個々に考えるしかない。しかし、得意先の分散については、1社で20%くらいが限界と考えられる。つまり、20%の売上減なら、販売努力や経費節減等で、何とかカバーできると考えられる。

リスクを分散することは重要である。これは、国家単位で考えても同じ。エネルギー政策を考えると、島国である日本は、非常に危うい状況にある。陸続きのヨーロッパ諸国と同じように考えるべきではない。偉大な政治家であるチャーチルは、エネルギー政策について、エネルギー源を多様化させることの重要性を強調している。同じ島国として、常に頭に入れておくべき教訓である。

No comments:

Post a Comment