Thursday, October 4, 2012

No. 105: サムライ魂と孫子の兵法 (October 4, 2012)

Management:
チェコの首都プラハ中心部にある日本大使館前で、現地の中国系住民ら約100人が、尖閣諸島の国有化に抗議するデモをしたことが報道されている。また、真偽のほどはともかく、東京証券取引所では、不思議な動きをする中国企業の暗躍が報じられている。まさか、中国政府がバックアップしていることはないであろうが、それにしても、驚かされる。

「孫子の兵法」に、最高の戦略は「戦わずして勝つ」という記述がある。つまり、謀略のかぎりをつくして相手国を負かすというもの。デモをした人たちや、暗躍する企業の人たちは、この戦略を忠実に守って行動しているわけではないだろうが、やはり、4000年の歴史に裏づけされた国民のすごさを感じさせられる。

わが国の総理大臣が「大人の対応」を中国政府にお願いしたが、どうもその効果はなさそうである。そもそも、「大人の対応」とは何を意味するのか、言語明瞭なれど意味不明瞭。日本人のもつ美徳である以心伝心と言えば、それまでであるが、残念ながら、世界では通用しない。サムライ魂を愛してやまない日本人の琴線にふれる言葉であっても、それが通用するのは日本国内だけ。

一番心配されるのは、日本の政治の動きが遅いため、世界の日本を見る目が変化することである。つまり、行動をおこさないと、世界が、行動を起こしている中国の動きから、状況を判断してしまうことである。

トーマス・ワトソンの教訓ではないが、問題はすぐに解決すべきである。ビジネスでは、グローバル化が急速に進展しているが、どうも政治の世界では、未だに内向きの姿勢が主流のようである。

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